僕とドイツ語~なぜドイツなのか~ – まる英語教室

Blog Article

masthead-mobile masthead-tablet masthead-desktop

僕とドイツ語~なぜドイツなのか~

今日は毛色を変えて体験談「ドイツに留学した理由」を書こうと思います。

結論から言うと、大学在学中にドイツへ留学したからなのですが、、
なぜ英語圏ではなくドイツにしたのかということについてお話します。

どうしてドイツ?

話せば長いのですが、箇条書きで書くと
①高校時代ヨーロッパ留学の夢が折られた
②阪大スウェーデン語学科に落ちた(ゲルマン語族)
③英語は(ある程度)話せた
④交換留学はまともにf単位もらえない
の4つの理由がありました。

そもそも留学を決めた理由

理由①のとおり、高校の頃に留学一歩手前で夢破れたから。
留学エージェントが行っていた英語力の試験があって(英検準2級レベルくらい)、頑張って勉強して合格したにもかかわらず、直前で「ホストファミリーが見つからない」とのことで話が無くなってしまったのでした。
生来持ち合わせていた乳製品アレルギーが理由だったようで、受け入れ先のファミリーが見つけられないという理由。
仕方ないと頭では思った反面、英語試験のために学校の勉強を犠牲にして取り組んでいたものを否定された気がして、心を折られてしまいました。
※当時16歳だったので、何かあってからでは遅いという責任問題があったのだろうと思います。仕方ないですね。

それ以来、ヨーロッパにはいつか行かなくては、となんとなく思っていました。
大学時代に行かねば一生行かなくなってしまうかもしれないと考え、留学を決めたのです。

「海外で」英語学習することの意味の小ささ

留学する、となればまず考えるのはアメリカ、カナダ、イギリス、オーストリアなどの英語圏でしょう。僕の場合、英語圏は候補にいれませんでした。

一番大きいのは、自分の所属していた大学の専攻の環境が全部英語だったことです。

この状態で英語圏に行けば、きっと英語はがっちがちに極められるだろうという自信がありました。
当時は英検1級の1次試験までは受かっていた(2次は落ちた)し、大学の友人半数は外国人という語学の上達にはとても恵まれた環境にいたからです。
その上達の陰には涙ぐましい努力()があったわけですが、これで英語圏に留学したらコスパ悪くね?と思ったことが大きかったです。
帰国後もその環境で1年以上英語漬けになるわけですから、そこで英語はまた頑張ればいいかなと。

大学が京都だったので「京ことば」というやつを覚えたかったのですが、あまりにも普段の生活言語が英語だったため、関西弁のインプットもアウトプットも絶望的に足りず

英語に全振りした弊害。。

結局今でもほとんど関西弁は話せません。
もともと関西の雰囲気が好きで、関東より関西を選んだ人間だったのでこれは少し後悔してます。。

ドイツ語は実用的なバリューがある

阪大スウェーデン語選考に落ちてるので、スウェーデンに交換留学して受験失敗のリベンジ!という手もありましたが、そこまでスウェーデン愛があったわけでもなく。
※センター点が思うように伸びず、直前で阪大に志望校を変更したということも関係。スウェーデン語選考にしたのも、くじ引きで決めた始末(笑)

第二外国語でドイツ語を取っていたので(これはスウェーデン語に近いからという単純な理由)ドイツを選びました。加えて、哲学に興味があったので、ドイツ語でニーチェやゲーテなんかを読めたらかっこいいかなぁとか。大学生男子の妄想です。

このアニメを見て、京都と京大にあこがれたという痛い過去を持ってます。

そういうロマンを追い求めたいちー(痛い)部分もあるのですが、ドイツ語がしゃべれるということにはしっかり実益もあります。

ドイツはなんといっても、ヨーロッパ経済の中心。
ヨーロッパにおいて、ドイツ語は英語の次に話者数が多い言語です。
ヨーロッパと往来をしたり、関連の仕事をしたいのであればドイツ語が出来れば大きなアドバンテージになります。

それに、日英のバイリンガルよりも+独のトリリンガルのほうがかっこよくないですか?
男の子はかっこいいことが大好きなんです。

交換留学は単位難民への片道切符

イギリスでのアメリカでもニュージーランドでもなく、ドイツ留学を選択するにあたって、交換留学であるということは大きな決断要素でした。

僕の出身学部では、交換留学=単位全然もらえない=帰国後地獄の単位戦争というシステムがあったのです。

噂によると、1年間の留学で単位交換できる上限は12単位?くらいだったと思います。
これは、半期で取れる単位数上限の半数。つまり、日本に残る学生は1年でゆるーく30単位くらいとって、こちとらどんなに頑張ってもMAX12単位しかもらえんわけです。帰国後にこれを巻き返すのは結構せわしない。

大学の独自プログラムによる留学もあって、そっちで留学すると単位がたくさんもらえるシステムもありましたが、一緒に申し込む大学の友人らと一緒に現地に行くことになるので、結局は日本人同士でつるんじゃうわけです。授業も彼ら向けにセッティングされたもので、現地の学生とは別だったようですし。楽しいと思うけど、英語力の伸びは薄いですよね。

僕としては留学できればなんでもオッケー!って感じではなかったし、そこそこ勉強をちゃんとやりたかったので質実剛健なイメージの交換留学を選びました。

つまり、交換留学の中で選ぶのであれば英語圏も非英語圏も大差なかったわけです。単位的に。
これがもし、英語圏で授業取りまくればがっつり単位取れるよ!帰国後はモラトリアム楽しんでね!だったら揺らいでましたね。事実、帰国後半年は単位地獄で遊ぶ暇なかったので。。。

英語圏に留学すれば、「英語を学ぶ」よりも「英語で学ぶ」になります。なにやら小難しい経済学やらなんやらをやらないかんわけです。
非英語圏ならば、必然的に「現地語を学ぶ」の割合が大きくなります。もちろん、英語開講授業もとれますが。僕の場合は、まずはドイツ語、その後ドイツ学というドイツ研究の学問を取りました。

結果的に、ドイツ語の学習でヨーロッパ中の様々な国やトルコ、アジア圏からの学生と知り合えたし、ここで現在の妻とも出会っているので大正解でした(笑)。彼らとの交友関係は未だに続いています。

第3言語=第3の眼鏡

日本語と英語で見える世界は違います。
英語は国際語という点で、世界中の情報が素早く入手できるようになるからお得な言語です。
リングワ・フランカをマスターするのは、世界へ飛び出す第一歩。

しかし世界中のほぼすべての人にとって、英語は外国語です。
タイ人はタイ語で世界を見るし、日本人は日本語、ポーランド人はポーランド語です。
ドイツ人はドイツ語。
この「世界の見え方」を学びたくて、僕はNOT英語のドイツ語を選びました。

余談ですが、奥さん(ポーランド出身)とLINEでメッセージのやり取りをしていると、いつの間にか険悪な雰囲気になっていたことがあります。むこうは僕がネガティブな感情でLINEしていると思っている一方、僕はうれしい気持ちでいるとき。
文化的な文脈の相違があるから、同じテキストを見ても捉え方が違うときがあるんです。それで、不毛にも意見がすれ違い続けることが初期はよくありました。
日本人同士だと、空気でなんとなく相手の機嫌が読めますよね。

この「空気」が、言語とそれに埋め込まれた意味です。
言語を学ぶとは文化的背景を学ぶことでもあります。
言葉は認識を体現するツールですからね。
ただ、機械的に翻訳できればいいわけではありません。

僕はドイツ語マスターからはまだほど遠い位置にいますが、この文化的側面も積極的に学ぶようにしています。そうしないと、華奢な日本人の僕は、ただでさえ「怒っているように聞こえる」・ガタイの良いドイツ人と円滑なコミュニケーションは取れそうにもありません

人文系の学問の面白さはここにあります!

と、変な着地点になってしまいましたが以上が僕が「ドイツ語を話せる理由」です。
留学中はたっくさんのハプニングやエピソードがあったので、今後も体験談モノをいくつか書いていきたいと思います。


Manatsuでした。良いお年を。