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ヨーロッパにビザなしで90日以上滞在する2つの方法
こんにちは!
ヨーロッパを旅行や短期留学、ビジネストリップで訪れるとき、日本のパスポート持っていれば基本的に 90日間 ビザなし滞在できることはよく知られています。
これは日本がシェンゲン協定加盟国と条約を結んでいるからです。※1
この 90日以内 というのはヨーロッパへ行く人は良く知っていると思います。
しかし!実は一定条件を満たせば、90日以上、ビザなしで、合法的に滞在する方法があります。
しかも理論上は日数制限なく、半永久的にいけちゃいます。
なぜか、全くと言っていいほど知られていないのです…
今回は、このことについて書きます。
ここで注意していただきたいのは
「短期滞在ビザが免除されるのは、1)観光、友人・親族訪問、2)文化・スポーツイベント参加や交流、3)ビジネス会議への出席、4)ジャーナリストや取材目的、5)治療、6)短期的な勉強や研修――など」※1
ですので、労働はできません。
この点は最初に断っておきます。
【大原則】ヨーロッパへのビザなし滞在について

【シェンゲン協定圏のルール】
原則として、日本のパスポートを持っていれば短期滞在ビザは免除されます。
しかし、これには厳格なルールが存在します。
短期滞在とは「あらゆる180日間における最長90日」と定義されています。※1
これが意味するのはこういうことです。
90日間滞在した後、日本に帰国するとしましょう。
その後90日間は、ビザなしでの90日間の滞在は認められません。
シェンゲン協定圏出国後、90日以内に再び入国しようとしても入国審査ではじかれてしまうということです。
日本に帰国して次の日にまたとんぼ返りは出来ないというわけです。
以上が、シェンゲン協定の短期滞在ビザ免除のルールであり大原則です。
た だ し
このルールをぶち破るすんげえ特例があります。
日本のパスポートの強さが発揮されます。
非EU加盟国 と ポーランド・オーストリア の間でのみ可能なテクニックです。
【特例】EUにビザなしで連続90日以上滞在する方法
【180日】オーストリアからEU入国&出国
オーストリアと日本の二国間協定で、「査証免除取極」というものが存在します。※2
これによれば、日本のパスポートを有する者は 180日以内 のビザなし滞在が可能です。
ただし、シェンゲン圏内の他国では通常通り90日以内の滞在許可です。
よって、91日目以降はオーストリア国内のみで有効です。
91日目以降にヨーロッパから出国する場合、必ずオーストリアから出国し、ほかのシェンゲン加盟国を経由しない便に乗ることが必要です。※2
【理論上、半永久的に滞在可能】カギとなる4か国
滞在できる国は限られますが、下記の方法を使えば、理論上は日数制限なく滞在できます。
そのために、下記の4か国が重要なカギとなります。
★クロアチアとルーマニア
上記2か国は EU加盟国ですが、シェンゲン協定非加盟です。
同時に、日本と個別に協定を結んでいるため
両国には シェンゲン圏内同様、90日間ビザなし滞在が出来ます。
☆オーストリアとポーランド
上記二か国は EU加盟国であり、シェンゲン加盟国です。
上述したオーストリアと同様、ポーランドと日本の間には「日本・ポーランド査免取極」という協定があります。
これらの独自協定はシェンゲン協定の原則に優越します。
その内容ですが、公式ソースとして、在ポーランド日本国大使館のウェブページには以下のように記載されています。
日本・ポーランド査免取極は、継続して90日を超えない期間の滞在につき査証免除を認めるものです。ポーランドから一旦出国し、その翌日にポーランドに再入国しようとする場合、出国日と再入国日が連続しているために、出国前の滞在日数と再入国後の滞在日数が加算されますので、ご留意下さい。
また、出国日と再入国日との間に2日以上の間隔を開けたとしても、再入国後の滞在期間が長期にわたると判断される場合には、国境警備隊が入国を拒否することもあり得ますのでご注意下さい。
※3
まとめ
ちょっと混乱してきたと思いますので、状況を整理します。
まず、ほかのシェンゲン協定加盟国と異なり、
①オーストリアでは短期滞在ビザ免除の期間が180日間です。
次に②ですが、以下の条件が揃うことで半永久的な滞在が可能です。
あ | 【原則】 | シェンゲン協定圏内では、通常90日以内のビザなし滞在が認められる。 |
い | 【特例】 | オーストリア・ポーランドは「い」とは別に、日本との間に独自の取極めを結んでいる。それは「あ」【原則】に優越する。 |
う | 【内容】 | シェンゲン圏出国後、オーストリア・ポーランドについては即時再入国が可能。 |
え | 【★】 | クロアチア・ルーマニアはシェンゲン圏外 |
つまり、②★2か国と☆2か国を往復していれば、半永久的に滞在できるというわけです。
注意すること
この取極めについては、オーストリア・ポーランドの入国審査官も知らないことがあるようです。
なので、もし入国審査官が怪訝な顔をしたり、NOと言ってくるときは確認しろと打診しましょう。
簡単に引き下がってはいけません。引き下がる=帰国しかないですから。
なので、90日間(オーストリアの場合180日間)を使い切ってから、技を発動するのではなく、ある程度期間を残したうえで決行するほうが、リスクマネジメントの観点から良いかもしれません。たとえば、2週間の期間を残して再入国を試みることで、荷物をピックアップするために入国せねばならないなど、相手を説得する材料になります。
しかし、取極めとしてそれが存在する場合でも、むこうがだめと言ってくることもあります。
むろん、このやり方は違法でもなんでもないですから、こちらに非はありませんが…
万が一拒否され、不許可のスタンプを押されてしまえば、どうしようもありません。
こちらに非はないのですが、ヨーロッパではそういうことは無くもないですし..
僕はあくまで情報としてお伝えしているので、自己責任でお願いします。
最後に
いかがでしたでしょうか。
日本のパスポートを持っていれば、使わない理由はないほど有力なテクニックなのですが、なぜか全くと言っていいほど知られていない情報です。
たとえば オーストリア入国→クロアチアに一日旅行→オーストリア再入国 をやれば計360日ビザなし滞在が出来てしまうわけです。
滞在できる国は限られますから、必ずしも皆さんな使える方法ではありませんが、ヨーロッパに長期滞在する方法を模索する方には非常に耳寄りな情報だと思います!
シェンゲン協定とは別で、日本と個別に取極めをしている国があるというのがミソです。
ぜひ参考にされてみてください。
繰り返しますが、自己責任で!
※ソース
1 https://eumag.jp/questions/f0518/
2 https://www.at.emb-japan.go.jp/files/000231468.pdf
3 https://www.pl.emb-japan.go.jp/konsulat/schengen.htm