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大学入試、英検活用のメリットが大きすぎる。英検1級ホルダーが解説【国公立編】
大学入試のシーズンが迫ってきました。
高3生の皆さんは今が踏ん張りどころ。頑張りましょう!
さて、今回は大学入試と英検利用について、
①どの大学で
②どのようなメリットがあって
②実際に実現可能なスコアなのか
英検1級保有の筆者が痒い所に手の届く分析・解説をしていきます。

こんにちは、Manatsuです。英検1級、TOEIC945点(初受験)のスコアを保有しています。
まる英語教室の代表をしています。
参考:2021年一般選抜 外部検定利用一覧 <国公立大編> https://www.ei-navi.jp/news/2453/
こちらの英検運営するサイト記事を参考に、経験者として実践的な分析を交えて解説します。
スコア表の数字の羅列では見えてこない、実際の戦略面から、有益な情報をお伝えします。
国公立大学の英検利用
まず、最初に申し上げておきたいのは、国公立大学における英検利用の基準は英検2級以上が目安ということです。
英検2級は、感覚的な難易度としてはGMARCH、関関同立の入試問題と並ぶ程度です。
大学入試の英語は各大学別に個別の対策が必要となります。
一方、英検であれば、英検のための傾向対策をしておけばいいので、広く様々な大学に対応できます。
その意味で、手間を勘案したトータルの難易度は英検の方が簡単と言えます。
昨今の英検事情について解説
大学入試試験は一年のうちワンシーズンしか受けられません。
英検は、従来型であれば年3回のチャンスがあります。
加えて、英検利用のスコアは高校入学後のものであれば有効とする大学が多いです。
つまり、3年間のスパンを考えれば、合計で7~8回のチャンスがあります。
その上、英検は新しくS-CBTという、パソコンを用いたテスト方式を公開しています。
S-CBTは、従来型であれば1次試験のおよそ1か月後に行われるスピーキング2次試験も同日に行います。
1日ですべてのテスト行程が完了するのです。
さらに、テストスケジュールほぼ毎週。
年間にすると数十回。
従来型のように年3回の機会を待つことなく、準備が出来れば即、受検が可能です。
※1級は従来型のみの受験です。ただし、大学入試で実用的に活躍する英検最上級は準1級ですので、ここは気にする必要ありません。
以上をまとめると、次のようになります。
英検活用可の国公立大学を分析
どんな大学で英検が活用されているか、その一覧については英ナビの表を見ていただくのが一番です。
こちらでは、その表を基に英検1級合格者だから出来る実践的分析を行います。
(画像クリックで英ナビページへジャンプします)

一覧表を見て、特筆すべきは旧帝大の九州大学、有名な広島大学、秋田にある新興ながら強いブランド力のある国際教養大学などがリストインしているところではないでしょうか。
意外なところでは東京藝術大学も入っていますね。
かなり多種多様の国公立大学が英検を活用していることがわかります。
全ての大学を細説するわけにはいきませんから、今回は2つピックアップして説明しようと思います。
どの大学にも通じる俯瞰的な分析を綴っていますので、ご覧いただくと英検利用に関する戦略的理解がかなり深まると思います。
九州大学
言わずと知れた旧帝大学です。
共創学部でCSE2300点となっています
英検利用は、スコアに応じて、共通テストの英語試験を満点とするとのこと。
これは大きいです。英検の勉強自体で2次試験の対策にも十分寄与します。
さて、2300点がどういうスコアかというと
準1級の合格最低点は2304点
2級の最低点は1980点
ということですから、
「準1級にぎりぎり合格できるかできないか」
または
「2級で各セクション平均80点の猶予をもって合格」
のラインです。
このケースでは級の指定はなく、また合否ではなくCSEスコアでの「2300点」ということですので、以下の3パターンが要件を満たします。
①英検準1級に合格→自動的に2300点オーバー
②英検準1級にぎりぎり不合格、2300点獲得
③英検2級に若干の余裕をもって合格(1セクション平均+80点)
さて、ここから少し戦略的な話になるのですが、①~③で最も現実的なのは③です。
英検準1級は、2級と比べると語彙、長文読解のテーマと密度、ライティングのテーマと文字数、リスニングの抽象度、スピーキングテストの内容など全てにおいて難易度がかなり上がります。
実際に過去問をみて比べてもらうと、違いがよく見えてくると思います。
全体の難易度が上がる分だけ、2級より厚い単語帳を網羅したり、準備にリソースを割かなければいけなくなります。
結果として、全体のスコアも低く出てきます。
CSEスコアの字面で2300点を取るのはどちらの級でもOKなのですが、実際の難易度でいうと2級で余裕をもって合格する方が簡単です。
2級の語彙問題は、高校での学習をからめつつ英検の学習を行うことで全問正解も不可能ではないからです。
長文読解も、英検の型に慣れて傾向把握と対策を講じることで、高得点が可能です。
ライティングは英検で最も得点源となるセクションです。2級での満点は、適切な学習を行えばあまり難しいことではありません。
リスニング、スピーキングについても、2級の対策は型があります。
これから英検を取っていこうと思っている方であれば、
まずは2級に合格する→2級に余裕をもって合格
というフローが最も効率的だと思います。
S-CBTを活用すれば、2級合格後、短期集中で苦手を一気につぶして再受験で高得点!という方法が効率的かもしれません。
その後の英語学習は2次試験に集中、とすれば点数を最大化できること間違いなしです。
千葉大学
千葉大学は広く英検を活用しています。
2次試験のスコアを満点扱いにする学部もあるなど、受検を狙っているなら英検は必須といえるでしょう。
①国際教養学部と教育学部の一部では、CSE1950点以上で加点
②他学部ではCSE2180点以上で加点
特筆したいのは、
①「最上位レベルでは満点に換算し、外国語の受験を免除」という文言。
これはものすごいアドバンテージです。
2次試験の英語を免除ということは、共通テスト後の約1か月間、英語以外の科目対策に集中できるということです。
この制度を使わない手はないでしょう。
秋田大、長崎大でも同様のメリットを受けられるようです。
ここでミソなのは「最上位レベル」という文言ですね。
千葉大の公式発表によると「英検で準1級または1級を受験し,2300 以上を獲得」とのことです。
(ソース:令和3年度千葉大学入学者選抜における外国語検定試験成績の利用についてhttps://www.chiba-u.ac.jp/exam/R3gaikokugo_kentei.pdf)
今回は九州大学のケースとは異なり、級指定があります。
この条件の場合、必然的に
①準1級に合格最低点(CSE 2304)で合格
しかありません。
※1級はレベルの桁が違うので、考慮に入れません。
高1の場合、英検合格までのフローは以下のように採るのが最適解でしょう。
高校入学直後から、準1級過去問に触れ、自分の苦手を分析。
→分析に従って、苦手分野を補強(語彙、長文読解、ライティング、リスニング、スピーキング)
→定期的にS-CBTを受験。場合によっては従来型でもOK
(従来型はS-CBTより緊張感があり、回数も限られるため、だらけてしまわず、モチベーションを保ちやすい)
→準1級合格
→2次試験英語の満点が確定。他科目に集中。
②他学部ではCSE2180点以上で加点
についてですが、5~30点の加点があるようです。(上記リンク参照)
いずれも準1級か1級のスコアに限定されています。
2180点というスコアは、英検2級と準1級それぞれの合格最低点の中間点に当たります。
(2級合格最低点)1980<2180<(準1級合格最低点)2304
千葉大学公表の資料によると、見た限りでは各セクション毎の最低点は公表されていません。
よって、「2180点を取る為だけの最低点を取る」=最効率の戦略でいきます。
準1級でのスコア獲得を狙うならば、
①従来型:1次試験(通過最低点:1792点)+2次試験388点=2180点→不合格
②S-CBT:リーディング、ライティング、リスニングで1792点+スピーキングで388点=2180点→不合格
これら2パターンで2180点は獲得できます。
日本人英語学習者にとってネックとなるスピーキングの得点が低くてOKなことからも、かなり実践的で、再現性のある戦略です。
まとめ:英語だけ先に受験勉強を終わらせよう。その後のキャリアにとっても得しかない。
今回は2つの国公立大学を例にとって、英検スコアを戦略的に獲得する方法論について詳細に分析・解説しました。
高校入学後、先取りで英検を取得しておくことで、2次試験における英語の加点や、場合によっては免除まで「予約」できます。
また、受検直前期は英語以外の科目に集中することで、結果として全科目での点数向上が見込めるでしょう。
先取り的に英語を勉強しておくことは、その後の英語修得にも大きな役割を果たします。
高校生の頃に学習したことは、頭に定着しやすいです。
「英語頑張った!」という成功体験はモチベーションを駆り立ててくれます!
大学進学後、社会で活躍するときも、英語力があればかなりのアドバンテージとなります。
色々な面でまさに「先取り」ができるわけです。
裏を返せば、いかに英語力が重視されているかの表れとも取れますね。
大学入試における外部試験の活用は、受験料問題等はあるものの、学生側により幅広い受験の選択肢を提供すると同時に、英語力の底上げにも貢献しうるポテンシャルがあると感じています。
みなさんにはぜひ、英検を活用してより高みを目指してほしいです!
ちなみに、まる英語教室の講師は
英検1級、しかもライティング得点率97%超、825点/850点の実力者です。
(最近初めて受けたTOEICでは945/990点でした。)
英検指導は、英語と戦略の両面から行います。
正直、めちゃめちゃ実践的です!
英語力ばちばちに上がること間違い無しです。
少しでも興味がある方は、ぜひご連絡ください!
それでは。